2022年度 活動実績

RESULTS OF ACTIVITIES

乳幼児家庭のニーズと効果

乳幼児家庭のニーズ1位は65%で「孤立感の解消」、97%の家庭で効果

ここで示している数字は、全国で活動するHSスキーム(地域組織)から活動報告を収集し、2022年4月~2023年3月の1年間の全国の活動実績として集計したものです。
ホームスタートでは、利用家庭のニーズを14項目に分類しており、下のグラフは乳幼児を持つ家庭のニーズと効果を表しています。ニーズの第1位は「孤立感の解消」で、全利用家庭の65%にのぼり、集計を始めてから常にトップです。2位は「子どもの成長や発達の機会を作る」で60%、3位は54%で「親自身の心の安定」です。親が自身の孤立感や不安を抱えながらも、子どもの健やかな成長や発達に力を尽くしたい気持ちがうかがえます。ニーズに対して、訪問終了後の効果を表すのがニーズ充足度です。「孤立感の解消」は、97%の家庭が充足あるいは一部充足したと回答しています。14項目すべてのニーズに対する平均ニーズ充足度は89%にのぼり、約9割の家庭で悩みが軽減されています。

集計日:2023/4/28 集計期間:2022/4/1~2023/3/31

ニーズ数:5,608 平均ニーズ充足度:89%

対象スキーム:120 利用家庭数:1,168

ニーズと効果(充足度)

ニーズ割合(各ニーズを感じている乳幼児家庭の割合)

ニーズ充足度

産前家庭のニーズと効果

産前家庭のニーズ1位は「親の身体の健康」、平均85%の家庭で効果

ホームスタートでは、産前家庭に対しても、2017年度から本格的に訪問支援を開始しました。下のグラフは2022年4月~2023年3月の1年間の産前家庭(初産婦・経産婦を含む)のニーズと効果を表しています。ニーズの第1位は、「親の身体の健康」で69%の家庭がニーズとして挙げています。次いで「上の子の成長・発達を促す機会を作る」「孤立感の解消」が続きます。「赤ちゃんの健康」「上の子の心の健康」も上位となりました。昨年度に比べて「孤立感の解消」が高くなっています。コロナ禍にあって、親が孤立感を感じながら、妊娠期の健康に気を配りつつ、赤ちゃんや上の子の成長や発達に心を砕いている様子がうかがえます。
ニーズ充足度については、平均充足度は85%で、乳幼児家庭の平均と同等の高さとなりました。
産前家庭への支援は、出産により途中で終了を余儀なくされることも多いため、効果を測る対象となる家庭数が少ないですが、産前から産後への切れ目ない支援に向けて活動を拡げています。

ニーズ数:358 平均ニーズ充足度:85%

対象スキーム:77 利用家庭数:62

ニーズと効果(充足度)

ニーズ割合(各ニーズを感じている利用家庭の割合)

ニーズ充足度

利用家庭とホームビジター

半数近くが初めての子育て。ホームビジターの9割は40代以降

ホームスタートの利用者は約7割が30代で、0才児を持つ家庭は全体の60%にのぼります。さらに、半数近くが子ども1人の家庭であることから、乳幼児を持つ家庭とりわけ初めての子育ての場合には、親がさまざまな悩みやストレスを抱えて支援を望んでいることがわかります。一方、ホームビジターは40代以降が9割近くとなっています。子育てを終了し後輩ママたちを応援したいと活動を始めた方が多いと思われます。利用者とホームビジターが親子のように年令が異なる場合でも、友人として良い関係を築いている例が多く、そのことがニーズの充足につながっていると考えられます。

対象スキーム:120

利用者年令・ホームビジター年令

子どもの数と年令

0才児のいる家庭の割合

利用申込までのルート

18%は保健センター等から、16%は子育て支援拠点等から、ホームスタートを知る

ホームスタートを利用するには、必ず申込みが必要で、ご本人からの直接申込が9割にのぼります。「申込ルート」の「本人」以外は、紹介者が本人承諾のうえ申し込んで利用を開始した場合を表しています。「情報入手先」は、どこからホームスタートの情報を得たか、を表しています。
保健センター等から情報を得て利用された方は最も多く、全体の18%にのぼります。また、16%の方が、子育てひろばなどの支援拠点を通じて利用されており、紹介や情報提供してくれる他機関との連携が大変重要であることがわかります。
「情報入手方法(本人申込の場合)」では、人から聞いた、つまり口コミで情報を得た場合が半数にのぼり、上記の結果と併せると、信頼できる人や機関から直接聞いた情報が、利用に大きく結びつくと考えられます。さらに、2回以上利用する家庭が15%にのぼっており、妊娠期の利用から産後につながったり、1人目の出産後に利用した方が2人目の出産に際しても利用するなど、切れ目ない支援という効果も表れています。関係機関との信頼関係を築き、多くの人にホームスタートの安心安全な支援の機会を提供できるよう、これからも努めていきます。

対象スキーム:120

申し込みルート

情報入手方法(本人申込の場合)

情報入手先

ホームスタートの訪問活動

累計14,300家庭、101,000回訪問、ホームビジター3,400名の実績

現在、登録スキーム数は118、利用家庭は累計で約14,300家庭になりました。訪問回数は累計101,000回に上っています。2018年度まで、利用家庭は年間およそ200~300家庭増加し、訪問回数は年間1,000~2,000回増加してきました。しかし、2020年1月末から新型コロナウィルスが急拡大し、地域によっては訪問の中止・延期が避けられなくなりました。各地でさまざまな工夫や取り組みを進め、2020年夏ごろからは次第に利用が増え始め、大きな環境変化の中でもホームスタートが必要とされていると見て取れます。まだコロナ禍以前の水準には及ばないものの、2022年度は明らかに利用が増加しました。これからも、利用家庭やホームビジター/オーガナイザーの安全を第一に、全国の子育て・産前家庭のために、活動を進めていきます。
訪問して利用家庭を支えるHSホームビジター数は、およそ3,400名になりました。活動をボランティアで支えてくださっています。

 ※HSホームビジター:家庭を訪問するボランティア
 ※HSスキーム:各地域でホームスタート活動を実践する地域組織

利用家庭数・訪問回数

年推移

2019年度からの利用家庭数の推移(新型コロナによる影響)

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