Problem
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まわりの協力が得られず孤独な状態で子どもを育てる「孤育て」によって育児を負担に感じる親が増えています。
孤独に陥る背景は人それぞれですが、特別な理由がなくても、実は誰にでも起こりうることなのです。
一人暮らしのアパートに帰ってきたとき、外出しない日が続いたとき、些細なことを共有できる相手がいないとき、日常生活で「なんだかさみしい」と感じることは誰にでもあります。そんなときいつもより心に余裕がなくなってしまうものです。一人での子育ての中でも、そんな孤独を感じる人が多くいます。
子育てでは、「わからないことだらけで不安」「完璧な親でいないと」といった子育てだからこそ感じる緊張やプレッシャーが24時間休みなくつきまといます。一人での子育てで、不安を誰にも話せない、気晴らしする時間もない、そんな状況が続くと、解消できないストレスがどんどん溜まっていきます。最悪、産後うつになってしまったり、ストレスを子どもにぶつけてしまうことにもつながります。
Case
出産で仕事を辞めて、家にこもるようになりました。 一人で家にいると暗くなっていくし、人と会わないから会話もなければ刺激もないし、私いったい何してるんだろう...と。 初めての育児をしながら、悶々とした気持ちが積み重なって、押しつぶされるような感じでした。
「孤育て」の悪影響は親だけの問題ではありません。
子どもの発育を大きく左右する幼少期に親が不安定になってしまうことは、
子どもの今と、これからに大きく影響します。
外出の機会が少なくなることで、友達や親以外の大人と関わる機会がなく、コミュニケーション能力が育まれなかったり、あらゆることを体験する機会が少ないことで、好奇心や学習意欲が低下したりすることにもつながります。
育児放棄や虐待によって身体的障害を負ったり、親との愛着形成が不十分のまま育つことで、情緒の不安定や対人関係の問題を抱えたりすることにつながります。
子育ては親子にとっての大事なスタート
孤独な中での子育ては、親にとっても、子どもにとっても悪影響があります。
子どもが明るい未来に向かって良い人生のスタートを切るために、
まずは子どもにとって唯一無二の存在である親が、健全な状態で子育てができることが重要です。
「孤育て」が増えている背景には、少子化や核家族化、地域のつながりの希薄化などの社会の変化があります。
以前は当たり前だった、近所の親戚や知り合いが一緒に子育てをしてくれたり、
困った時に頼れる誰かや、気軽に話せる誰かが近くにいたりする環境が、近年はすっかり減ってしまいました。
地域の中での子どもを通じたつきあい
(出所)内閣府「令和元年版少子化社会対策白書」、UFJ総合研究所「子育て支援策等に関する調査研究」(厚生労働省委託)(2003年) 、 三菱UFJリサーチ&コンサルティング「子育て支援策等に関する調査2014」(2014年)を基に作成。
核家族化や少子化が増えていることで、兄弟や甥っ子姪っ子、親戚がいない人も増えています。
子どもの頃から乳児に触れる機会がないまま、自分の子どもが生まれたときに初めての子育てに直面し、
どうしていいかわからないという親も増えています。
赤ちゃんをあやしたり、 小さな子の面倒をみたりしたこと(高校生等)
資料出所:「平成26年度全国家庭児童調査結果の概要」(厚生労働省子ども家庭局)
ホームスタートジャパンは
「孤育て」を防ぐ活動を行っています
「孤育て」を防ぐには、さまざまな子育て支援の充実が必要です。
その中でも、家庭に入って支援ができるホームスタートは貴重な存在です。