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勝又 奈美さんの体験談
利用家庭
私の家は、今、6人家族です。以前は、夫と私、小学2年生の長男、年長の長女の4人でした。
そこへ双子を授かることになり、ホームスタートを利用させていただきました。
妊娠がわかったときには、驚きと喜び、そして不安の波が一気に押し寄せてきた感じでした。それというのも、私たちの両親は県外に住んでいて、仕事は自営業で、豊橋に来てもらうことはできませんでした。そこへコロナ禍…。双子を産んで、長男長女もまだ一人では生活できない…。どうしても助けが必要だと思いました。でも、それをどこに、誰にお願いすればよいのか、わからずにいました。
「ホームスタート」については、名前だけは知っていました。妊娠中に、保健師さんや助産師さんからの紹介があったからです。でも、「利用してみよう」という一歩をなかなか踏み出せずにいました。というのは、初めて経験する双子の妊娠・出産で、自分や家族、そして生まれてくる赤ちゃんが、どのような状態でどのような生活になるのか、まったく想像がつかなかったからです。そして、どのような助けが必要になるのか、何をお願いすればよいのかなど、具体的な内容が見当もつかなかったからです。
けれど、運がよかったのは、妊娠中にお世話になっていたファミリー・サポートの堀尾さんが、ホームスタートのビジターさんでもあり、その堀尾さんが勧めてくださったので、電話する勇気が湧いてきて、お願いすることができました。
お願いすると、オーガナイザーさんが家に訪問してくれました。まずお伝えしたことは、「産後の生活が想像できず、何をお願いしてよいかわからない。とりあえず楽しくお話をして、リフレッシュできたら嬉しい」ということです。こんな漠然としたお願いでよいのかなぁと思いましたが、温かく受け止めてくださいました。今、考えると、こんなとりとめもない会話でしたが、出産前にオーガナイザーさんとお会いすることができ、ビジターさんとも顔を合わせることができていたことで、産後、スムーズに利用を開始することができたと思っています。
双子でしたので、計8回来ていただきました。はじめは、おしゃべりが中心で、その間に家事をするという2時間。その後は、買い物や長女の歯医者、4ケ月健診に付き添っていただくなど、その時々で助けていただきたいこと、お願いしたいことをお伝えしていました。双子で手がかかる分、本当にありがたかったです。さらに、ビジターの鈴木さんは、優しく温かい方でしたので、居心地がよく、一緒にいてくださる時間、ほっとすることができました。また、様々なお話をしながら笑ったり、料理のレシピを教わったりで、まるで母といるような感覚でした。
利用が終わっても、ホームスタートの運営母体である「NPOまんま」さんとは、「ツインズの会」でつながっています。双子を抱っこしてくださったり、一緒に遊んだりしてくださるスタッフさんがみえます。その間、私はリフレッシュできますし、貴重な双子育児の情報も得ることができます。「ツインズの会」は、私の大切な「居場所」の1つです。
今回、双子を妊娠・出産したことで、ホームスタート、「NPOまんま」さんの活動、豊橋市の子育て支援活動など、子育てをする私たちに、優しく差し伸べてくださる手が数多くあることを知ることができました。しかし、受け手である私たちが、助けやつながりを求める先を、ネットからの情報やSNSのようなツールに依存しすぎてしまっているように感じます。便利ではある一方、不確かで無責任な情報に振り回され、孤立していく…。人との繋がり方や、助けの求め方に迷っている例が多いような気がします。私自身、双子を妊娠しなければ、誰かに助けてもらおうという思いは、もたなかったように思います。
双子の育児は、毎日毎日がバタバタです。でも、反面、今が一番幸せだと感じています。そう思えたのも、ホームスタートの利用をきっかけに、助けてもらうことは恥ずかしい、面倒、自分がダメだから、ということではないと気づけたからです。今回、多くの方々に助けていただき、そこで受け取った多くの優しさを、今度は私がいつかどなたかに渡したい、今、そう思っています。
また、このホームスタートという活動、よさ、魅力を、もっともっと多くの方々に知っていただきたいと思っています。そして、利用が拡がることで、家族みんなの笑顔が増え、子育てを通して人と人との繋がりも拡がる、そんな素敵な社会になることを心から願っています。